骨粗鬆症
骨粗鬆症は特に高齢の女性に非常に多く発症します。
骨にも新陳代謝があります。破骨細胞がほんの少しだけ骨を溶かし、そこに骨芽細胞が新しい骨を作ることで、古い骨が新しい骨に少しずつ作り替えられています。
しかし閉経後の女性では、女性ホルモンの低下により破骨細胞が活発化して骨の新陳代謝のバランスが崩れ、気が付かないうちに骨の量は徐々に減少してしまいます。体質や他の病気の合併によっては急速な骨密度の低下が起きます。
骨粗鬆症を放置すると、ちょっとした動作でも背骨が骨折してしまいます。「いつの間にか骨折」といって、高齢者の背骨の骨折のうち2/3は自覚症状がないと言われています。転倒などのきっかけがない背骨の骨折では痛みは鈍く、いつもの腰痛くらいにしか感じません。本人も気がつかないうちに骨折を繰り返すことで少しずつ背骨が曲がってしまいます。
治療
食事だけで骨粗鬆症を改善することは困難で、通常は薬による治療が一般的です。
性別や骨密度によって使用する薬は様々です。骨密度を維持するだけで良ければ、内服薬だけでも十分な効果が期待できます。しかし、すでに骨密度が低下してしまい骨折の危険性が高い場合には、注射薬でしっかりと骨密度を増やす必要があります。現在使用されている注射薬は骨密度の増加、骨折の予防効果が非常に高くなっています。
当院ではDEXA法といって、最も信頼性の高い方法での骨密度の測定を行っています。採血検査で骨の新陳代謝の状態をしっかりと評価し、骨密度がしっかりと増える治療を積極的に行っております。
骨折の予防には骨密度を増加させるだけではなく、転倒しないことが大切です。そのためには、日常生活での運動習慣の維持がとても重要になります。当院ではリハビリテーションで積極的な歩行訓練を行い、転倒予防に努めております。
骨粗鬆症が気になりましたら、お気軽にご相談ください。